NASAのスピンオフ製品 ― NASA発の身近な製品
公開日:2018年10月17日更新日:2025年3月11日
NASAは宇宙開発において大きな成果を上げてきましたが、その研究は地球上にも多大な影響を与えています。こうした成果は「NASAスピンオフ」と呼ばれ、その多くは人々の日常生活で使う製品を向上させてきました。
『スピンオフ』は当初、予算審議の際に議会に提出される報告書として始まりました。一般からの関心が非常に高いことが判明したことを受け、1976年に初の公式フルカラー版が発行されました。毎年、新しい『NASAスピンオフ』が発行され、NASAの研究が技術、医療、環境、消費財などの分野に直接どのような影響を与えたかを紹介しています。
皆さんもご存知かもしれない、NASA発の有名なスピンオフ製品をいくつかご紹介します:
CMOSイメージセンサー
NASAが惑星間探査ミッション用に小型カメラを必要とした際、CMOSアクティブピクセルセンサーを開発しました。CMOSはイメージセンサーの一種であり、カメラの「目」として光を捉え、それを私たちが見る画像に変換します。他のイメージセンサーに比べ、小型で製造コストも低く抑えられています。現在では、デジタル一眼レフカメラやスマートフォンのカメラに搭載されているほか、医療用画像診断装置や歯科用X線装置にも利用されています。
メモリーフォーム
メモリーフォームが何かを知っている人は多いですが、その起源については必ずしも知られていません。これはもともと、NASAの資金提供を受けた研究者たちが、テストパイロットが飛行中に衝撃を和らげられるようにと開発したものです。現在では、ベッドやソファ、靴など、多くの日用品に使われています!
傷がつきにくいサングラス
1980年代、NASAのエイムズ研究センターは、宇宙飛行士のヘルメットのバイザーを傷から保護する方法に加え、紫外線を遮断する能力を高め、色彩を鮮明にする方法に関する研究を行いました。この技術は現在、市販のサングラス、スキーゴーグル、溶接用マスクなどに活用されています。
コードレス掃除機
アポロ計画の際、NASAはブラック・アンド・デッカー社と提携し、月面探査に使用できるバッテリー駆動の工具を開発しました。この「ワイヤレス」技術は現在、ダストバスター®コードレス掃除機をはじめとする、さまざまな民生用製品に活用されています。
全地球測位システム(GPS)
NASAのジェット推進研究所(JPL)は1990年代、世界中に展開する受信機ネットワークから得られるデータの誤差を補正するためのソフトウェアを開発しました。 その結果、GPSと呼ばれる衛星測位システムの精度は最大5センチメートルまで向上しました。これは、かつての15メートルから大幅な改善です。主に軍事や海洋掘削作業で使用されていますが、無線接続なしで素早くGPS信号を取得する際、多くの携帯電話もJPLのデータの恩恵を受けています。
これまでの有名なスピンオフ製品に加え、2018年版の『NASAスピンオフ』では、宇宙技術が日常生活に浸透しているさらなる事例が紹介されています。ここでは、今年の書籍に掲載されている数十の事例の中から、その一部をご紹介します。
Vi – 人工知能(AI)パーソナルトレーナー
この技術はヘッドホンのように装着するもので、飛行中の激しいG負荷によってパイロットが意識を失いそうになった際に警告を発するよう設計されました。LifeBEAM社は、これをトレーニング効果を最大化する新たな手段として、一般消費者向け製品へと転用しました。「Vi」と呼ばれるこの音声操作対応ヘッドホンは、心拍数、歩数、天気、走行距離を追跡し、パーソナルトレーナーとしての役割を果たします。
軽くて暖かいアウター
アスペン・テクノロジーズ社は、NASAのケネディ宇宙センターからの委託を受け、宇宙空間で宇宙飛行士が快適な温度を保てるよう、エアロゲル断熱材を開発しました。その後、オロス社はエアロゲルを用いて「ルクラ」ジャケットを製造しました。このジャケットは、生地の層が少なくても、極寒の環境でも十分に暖かさを保てるようになっています。
LED照明は利用者の眠気を覚ます
かつてケネディ宇宙センターの請負業者だった人々が「BIOS Lighting」という会社を設立し、植物の成長を促すだけでなく、オフィスでの長時間勤務や在宅時間中にも、人間の覚醒と集中力を維持するLED照明(SkyBlue)を開発しました。この照明は、植物の光合成を促進する波長を放射すると同時に、人間のメラトニン生成を抑制し、覚醒状態をもたらします。
これらは、NASAの科学が実用的な形で地球にもたらす成果のほんの一例に過ぎません。ケネディ宇宙センター・ビジター・コンプレックスでは、NASAが宇宙や地球上でどのような活動を行っているかについて、さらに詳しく知ることができます。スペースシャトル「アトランティス®」の展示では、NASAのスピンオフ技術に関する情報を詳しく紹介しています。ぜひ旅程に組み込んでみてください!







